先週のことだが、京田辺市の小学校に見学をさせていただいた。勤務先のFD活動の一環として、希望する教員は学校訪問をすることができた。私は、ゼミの学生が実習として一年間お世話になっていたこともあり、そのお礼をかねて訪問した。その報告を以下、書くことにする。
学校長と学生受け入れの担当の先生に、学校の概要および学生受け入れの問題点を伺う。昨年から勤務先の学生を12名、週1回ほど受け入れていただいているが、受け入れ側としては毎日2-3人の学生がコンスタントに来てくれた方がよいとのこと。学生指導にしても、教育活動にしても人数が多すぎたりするとかえってマイナスになるという。学生それぞれのカリキュラムの問題もあるのだろうが、簡単に実地教育をすればよいという発想が、現場に混乱を招いているということだろう。制度を作る側が現場を見ていないことがわかる。
見学した授業は、まず、少人数学級の例として小学校4年生の算数を見せていただいた。少人数学級は全国的にも行われているが、当初は習熟度別に行っているところが多かったようだ。だが、何でも習熟度別にすることに対して見直しがなされているようで、一緒に授業をする場合と習熟度別をどの単元で行えばよいのかという研究がなされているという。授業内容は分数と小数の話であったが、「数学」的な思考では「算数」は教えられないのだということが体験できた。数学科の学生が特に苦労するらしいと聞いて、妙に納得してしまった。
次に、小学校5年生の社会の時間として、京都府の地域紹介をするためのプレゼンの練習を見せていただいた(ゼミの学生がこのサポートをしていた)。地域学習など、調べ学習といわれるものは小学校でもインターネットを使って検索しているらしい。そのためか、内容がやや固く、小学生らしさ?がない。内容自体を理解しないで、それを棒読みしている子どももいた(これは大学生と同じかもしれないが)。どの情報をどのように取得するのか、という点が教育のポイントと伺った。情報教育、地域学習の研究の一つの方向性を示されたような気がする。
2つの授業の見学の後、特別支援教育の様子を少しだけ拝見し、給食をごちそうになった。いくつか印象的な話を列挙すると、
・「子どもが通いたい、親が通わせたい、教員が働きたい学校にしたい」という学校長の熱意(勤務先はどうなのだろうか)
・大学の教員の「理論」と学校教員の「実践」を、お互いに認め合いながら、うまくリンクをはかりたいので、できれば定期的に大学教員が現場に来て欲しい。(FD活動において、勤務先の教員で学校訪問を希望した教員は、委員を別にすれば4名である。ちなみに本学の教員は120名ほど)
・学校に来た学生が、当初は高校教員を希望し「内容の専門性」ばかりを求めていたのだが、次第に「教える」ことの難しさ、楽しさに気づき、「教師の専門性」とは何かという点をつかんでいったという。その結果、小学校の教員を目指すことになった学生が多くなったこと。(この点は私も授業中に話しているが、大学教員のように難しいことを難しく教えるよりも、簡単なことを簡単に教える小学校教員の方が、「教え方」という点では数億倍プロであるということだ。京都という場所も関係していたのだろうが、内容とその専門性ばかりにこだわることの無意味さは、現場の教員(一部かもしれないが)は理解している)
まだあったような気がするが、とにかく学校現場の力を感じたひとときであった。それはフィールドワークにでて、何かやる気が湧くような感じに似ている。教育実践や教育に関する研究も、学校現場と直接やった方が生産的なのかもしれない。やはり「繋ぐ」相手は、教育学者ではなく教育者だ。
p.s. 勤務先ではこの2年間、FD活動の委員を行っている。主な担当は授業アンケートの集計であったが、アンケートが形骸化したことを受けて、後期は実施していない。来年度以降はよりよい授業アンケート(評価?)が実施されることを期待したい(秋以降、執行部から何も連絡がないので無理だろうが)。何より、FD活動の問題点は、FDを受ける必要がない人が一番FD活動に熱心なことだ。どの大学も同じなのだろうか。
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